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日本各地にはその土地の味というものがあります。お茶の場合にも、土地の品種や独自の製茶技術を持ち、地域の歴史と風土に育まれた多様な味覚があるものです。その一方で、一般に流通購買されるお茶のほとんどは、栽培する農家と製品化する製茶メーカーに分業化され、均質化されたメーカー主導型の味になっています。
しかし、極めて少数ではありますが、農家が有機栽培から製茶までを一貫生産する安全な自園自家栽培・自家製造茶が息づいています。一園一園の土質や気象気候に適した茶樹品種と、園主園主の有機栽培の方法と、年々の茶葉の育成状態を美味しく生かす製茶方法により、さまざまな香りと豊かな味わいを楽しむことのできる安全な逸品茶です。
大手による流通の独占、味の均質化は「味の多様性」や「地域の味」を消失させています。この問題はお茶だけでなく、地元の米や麦や豆を原料にする町や村の豆腐屋さん、味噌・醤油・地酒・お菓子・料理屋さんなど加工食品全般においても共有される問題です。ここで考えたいのは安全な食べ物の、地域自給に基づく地域経済の持続です。さらには、このリージョナルアイデンティティー(地域に視点を据えた暮らし方、考え方といった価値観)が国境を越えて共生のネットワーキングが必要なのではと考えます。そのキーワードが「スローフード」ではないかと期待しているわけです。
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