第1回有機茶の栽培技術勉強会

2008年11月02日 22:00

2008年11月1日(土)、2日(日)
静岡市葵区 辰金支店2F
講師:ジャパンバイオファーム小祝政明氏
単なるカンや経験だけでなくデータに基づいた施肥設計をし有機栽培で無機栽培以上の立派な作物栽培を実証。
有機栽培の科学に迫る栽培指導者。

「これまで農家1軒、1軒に有機栽培の考え方、理論、ノウハウを説き、今では農協、大学、有機農業団体、外食産業、宅配業から講演依頼が絶えず、年間250回以上もの講演を全国で行っており、聴講述べ1万人ほどです。講演といっても机上のものだけでなく、率先してフィールドでの勉強会を行っています。作物の状態を観察し、必要によってはその場で土壌分析を行い、なぜこの作物は上手に栽培できないのか?の診断を行い解決策を導きだしていきます。」
全国80軒ほどの有機系の茶園に呼びかけ、14茶園が集い第1回目の勉強会がスタートしました。まずはおなじみの図。植物の整理を理解するところから始まります。続いて、多収穫、高品質を完成させるためには・・・1日めは講義。2日めは14茶園の土壌分析、硝酸値の測定、茶葉の検証をしながら問題点を探りました。
栽培の勉強会には皆での情報交換がとても大事です。10軒以上の茶園が協力しあえば今までにない濃い内容の勉強会が可能。一園逸茶の茶農家ネットワークの中心として、情報交換をしながら栽培技術のさらなる向上とより高品質な茶づくりを追求し、日本の有機茶シーンの第一線を行く栽培技術の確立を目指していきます。

 

土づくりの要素
1、土壌の物理性/土壌の通気性、排水性、保湿性
2、土壌の生物性/有機物の分解、養分や土壌団粒を作る、土壌病害を抑制させる微生物
3、土壌の化学性/土壌の成分(養分)やpH、CEC
問題の解決はこの3要素を探ること。
土壌分析は化学性の原因の絞り込みの一つ。
土壌分析とは作物のよしあしを土の肥料分と照らし合わせた統計学。

土壌の三相
1、個相/無機物(砂・粘土) 有機物(堆肥・腐葉土)
2、気相/空気
3、液相/水

体積法の土壌分析
体積法は土壌100ccに何mgの成分があるかという計測方法。
重量法では気相の部分が解からない。気相が増えるほど重量法による分析値はずれていく。
有機栽培委では根の貼っている土壌の空間をまるごと捉える体積法による土壌分析が適している。

土壌の団粒
団粒がある土壌は、透水性、通気性、保水性がよく作物の生育に好適。
団粒の形成の要因
1、人為的要因/耕転、灌漑、施肥など
2、気象的要因/降水、温度、風など
3、生物的要因/根、土壌動物、微生物

C/N比
有機物の分解速度はC/N比を目安にすることができます。
C/N比=炭素含有率(C%)+窒素含有率(N%)

作物の根は有機物を吸収する
これまでの定説は「根から吸収される窒素は硝酸やアンモニアといった無機の窒素だけ。」というもの。しかし2002年に「作物の根、有機物を吸収」という国の試験研究機関のニュースが報じられる。
植物の根は無機だけでなく有機物も吸収することが証明された。

炭水化物・・・作物の光合成と呼吸(活動)
炭水化物は光合成の産物であり作物の活動のエネルギー源でもある。
アミノ酸肥料は窒素と炭水化物の変形態で構成されているから炭水化物を持った肥料と考えて良い。
つまり有機栽培の場合、アミノ酸肥料を窒素肥料として供給することで作物は炭水化物を根からも吸収できる。
それにより、作物のエネルギー源である炭水化物を多く持つことができる。
また根からアミノ酸を直接吸収することで、作物は吸収した硝酸を亜硝酸、アンモニアに変え、これに炭水化物を結合させてアミノ酸を作る、という手間を省くことができる。このアミノ酸にさらに炭水化物が結合して複雑なアミノ酸になりそれがいくつも組合わさりタンパク質になっていく。
このように、まさに炭水化物は作物が生きていくためのもっとも重要な物質。つまり有機栽培の技術とは、いかに根からアミノ酸を吸収させるか。根から直接アミノ酸と炭水化物を吸収することで、活動のためのエネルギー源やタンパク質の合成が豊かにできるようになる。つまりおいしさや栄養価が高くなる。これができるのが有機栽培。